三菱ekワゴンのブレーキ引きずり
みなさん、おはようございます。
北九州市八幡西区車検専門店ヤハタ自販株式会社です。
今日は、先日車検でお預かりしたお車をご紹介します。
お車はH13年式三菱ekワゴンです。
今日ご紹介するテーマは『左右のパッドの減り方が違う、ブレーキの引きずり』です。
ブレーキの引きずりは、放っておくと事故に繋がる危険性があります。
今回の作業でブレーキの引きずりが解消されましたので、今でも安心して乗って頂いています。
先程ご説明しましたが、ブレーキの引きずりは事故に繋がる危険性があります。
ブレーキは、車の装置で一番重要な装置です。
車検でもブレーキオイル漏れや引きずり等には、特に注意して点検・整備させて頂いております。
今回車検でお預かりしてブレーキを点検していると、パッドの残量が左右で違う事に気が付きました。
いかがですか?
後の写真の方が明らかに少ないですよね。
この症状は、ブレーキの引きずりでの症状と同じです。
ブレーキの引きずりなのかと思いテスターに掛けると、ブレーキの引きずりを起こしている側の数値が多かったです。
左が14で、右が4という数値です。
ブレーキテスターは、ブレーキが効いていると数値が高くなります。
片側の数値が多いので、ブレーキの引きずりを起こしているいる可能性が高いという事です。
では実際にブレーキを分解して、ブレーキの引きずりを起こしている原因を点検します。
先程パッドを外しましたので、キャリパー側を点検します。
キャリパーピストンが固着して引きずりを起こすので、ピストンを縮めてみました。
通常ピストンは、奥までスムーズに押し込めます。
しかしこのピストンは通常よりも固く、なかなか奥まで押し込めません。
実際にキャリパーを分解すると
サビが出ていました。
下の部品がキャリパーピストンで、上の部品がキャリパーです。
ブレーキを踏むと、ブレーキオイルの油圧でピストンが押し出されます。
通常であればブレーキを離すとピストンは戻りますが、サビで固着して戻らなくなっていました。
つまりブレーキを軽く踏んだまま走行していたのと同じ状態だったという事です。
このピストンのサビが原因でブレーキの引きずりを起こしていました。
サビがひどかったり、サビを落としても腐食して少しでも欠けていると交換が必要です。
今回はサビを落としてもきれいだったので、ピストンもキャリパーも清掃して再使用します。
キャリパー側も清掃して組み付けます。
交換するのは、ゴムのシールキットです。
ピストンやキャリパーがサビが出ていたのは、この部品の劣化によって水が浸入し、サビが出たという訳です。
シールキットをきれいに付けて組み付けます。
パッドも一緒に交換です。
最後にブレーキオイルのエア抜きをして完成です。
交換・清掃後はブレーキを放すと進む様になり、引きずりも解消されました。
今回はピストンの固着で、ブレーキの引きずりが起きていました。
実は引きずりの逆もあって、ブレーキを離した位置、つまりピストンが戻った位置で固着する事もあります。
こうなるとブレーキを踏んでも効きませんので、ブレーキの引きずりよりも危険です。
またブレーキの引きずりには、スライドピンという部品が固着しても起こります。
こちらもサビで固着し、引きずりを起こすので交換が必要な場合もあります。
まとめ
ここまでブレーキの引きずりをご説明いたしましたが、車はいくら速くても止まれなければ意味がありません。
特に緊急時には、ブレーキが効くかどうかはとても重要になります。
ブレーキに関して不安や気になる所がある方は、すぐに解消して安心・安全に乗って頂きたいと思います。
今回の様にブレーキの引きずりを起こしてしまう前に、定期的なメンテナンスでチェックする事が一番だと思います。