トヨタヴィッツKSP90冷却水漏れ
エンジンオイル交換でご来店いただいたヴィッツにお乗りのお客様。
さっそくリフトを使ってオイル交換を始めようとしたところ、冷却水漏れを発見しました。
冷却水が漏れるとエンジンがオーバーヒートしてしまい、修理代も高額になってしまいます。
今回は、トヨタヴィッツの冷却水漏れの修理について解説します。
冷却水漏れはどこから?
オイル交換の為、ヴィッツをリフトアップしたところ、赤い液体が漏れた跡があります。
赤い液体が蒸発して粉状になって付着してますね。
これは間違いなく冷却水漏れです。
どこから漏れているのか、いろんな角度から入念に確認していくと、ヒーターホースの3つ又になっているジョイント部分からの漏れを発見しました。
ヒーターホースを確認するために、エアークリーナーケースを外します。
エアークリーナーケースを外すとヒーターホースが確認できます。
ヒーターホースとは、温まった冷却水を室内のヒーターコアに循環させるための重要なホースです。
今回の冷却水漏れは、ヒーターホースのジョイント部からの漏れでしたので、ヒーターホースとジョイント部を交換します。
ヒーターホース交換作業
ヒーターホースのクリップを外し固着したホースとパイプに潤滑剤をスプレーした後、ゆっくり慎重に抜きます。
力づくで抜いてしまうとヒーターコアのパイプに亀裂が入ってしまい、最悪ダッシュボートを取り外してヒーターコアを交換しないといけなくなるので注意が必要です。
やっとの事で取り外したヒーターホースと、新品のヒーターホースを比較した写真がこちらです。
右が取り外したヒーターホースで左が新品のヒーターホースです。
3つ又のジョイント部分の形状と色が違いますね。
このヒーターホースのジョイントは、色も形状も変わっているので改良されたものだと思います。
ヒーターホースに4つのクリップを取付けた全体写真がこちらです。
取り付け準備が出来たら、さっそく取り付けて行きます。
ゆっくりとヒーターホースをパイプに挿入してクリップで固定します。
これで、交換作業は終了しました。
ここから冷却水の循環作業にとりかかります。
冷却水を循環する
専用工具を使い冷却水(LLC)を注入します。
冷却水は2年間無交換タイプの赤色です。
この時ヒーターのダイアルをホットにし、風量はオフ、風向きはフロントガラスの曇り止め(デフロスター)にします。
※写真はデフロスター&足元になってますがデフロスターに変えました。
注入が終わったらエンジンを掛けます。
冷却水ランプが緑色で点灯しました。
冷却水が温まるとランプが消灯します。
そして、冷却水通路の空気が抜けるまでひたすら待ちます。
これは、エア抜きと言う作業で、空気を抜く事でエンジンやヒーター内部に規則正しく冷却水が循環する為の重要な作業です。
ラジエーターファンを3~4回ほど回ったのを確認し、室内のヒーターから暖かい風も出てきました。
ラジエーターのサブタンクに冷却水を補充します。
エアーも抜けてきたので、タイミングを見計らってラジエーターキャップを締めます。
エンジンを掛けた状態で、冷却水の漏れが無いか確認します。
今回交換したヒーターホースからも漏れはありません。
漏れが無い事を確認し、冷却水で汚れた跡もきれいに清掃しました。
ラジエーターのドレンコック(冷却水を抜くところ)からも漏れはありませんでした。
漏れが無い事を確認し、冷却水で汚れた跡もきれいに清掃しました。
診断機を使い水温を確認します。
冷却水温度は95度で安定してます。
これでばっちりですね。
まとめ
今回のヴィッツの冷却水漏れは、ヒーターホースからでしたが、冷却水のホースは数多くあります。
冷却水漏れと言っても、どこから漏れているのかで、作業内容も変わります。
ラッキーだった事は、エンジンがオーバーヒートしていなかった事です。
オーバーヒートすると、修理代も高額になってしまうので、早期発見出来て良かったなと思います。
お客様は、「これで当分は安心ですね。ヴィッツにはもう少し頑張って欲しい。」とおっしゃっていました。
これからも、お客様のご希望に応えるサービスをご提供したいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。