スズキ

スズキパレットMK21Sベルトがキュルキュル(異音)音がする

2021/11/15

「ベルトがキュルキュルと音がするんです。一度見てもらえますか?」

新規のお客様が、ベルトの音がうるさいとの事でご来店されました。

車はスズキのパレットMK21Sです。

スズキパレット

詳しくお話をお伺いすると、お客様は3か月前にこのパレットを中古車屋さんで車検2年付で購入したとの事でしたが、実際にエンジンを掛けると「キュルキュル」どころか、「ギャー・ギャー」と、アクセルの踏み込みに比例して音が大きくなっていました。

 

お客様は、あまりにも音がひどかったので、知り合いの方に相談したところ、「ヤハタ自販で診てもらったら?」という事でご来店したそうです。

「車検の時にベルトを交換しなかったのかな?」と疑問を残しつつ、さっそくベルトの点検を行います。

車をリフトアップし、右側フロントタイヤを、インパクトレンチで外した後、アンダーカバーを外します。

スズキパレットベルト異音

ベルトを確認すると、まだ新しく交換しているようです。

しかし、ベルトの張りを確認すると、ユルユルできちんと調整ができてませんでした。

ファンベルト

この状態だと、ベルトの音が大きくなるだけでなく、最悪ベルトが外れてエンジンが停まってしまいそうです。

写真でも分かるようにファンベルトの調整不足が原因で、ベルト自体がすり減ったと思われる粉状の汚れが付着しています。

スズキパレットベルト鳴き

もしかしたら、エアコン(クーラー)ベルトも同じ状態かもしれないと思い、エアコンベルトも確認します。

案の定、エアコンベルトも同じようにユルユルできちんと調整ができていませんでした。

さっそくこのファンベルトとエアコンベルトを調整します。

エアコンベルトの調整

エアコンベルトの調整は、エアコンコンプレッサーを固定している2本のボルトを緩めます。

写真は工具を使って緩めている所です。

手前に写っているのが、もう1本のボルトです。

コンプレッサー固定ボルト

フロントバンパーに固定しているナンバーを外します。

フロントナンバー

ナンバーを外すと、手前にエアコンベルトの調整用ボルトがあります。

エアコンベルトの調整用ボルトを固定している(工具を当てている部分)ボルトを緩めます。

 

エアコンベルト調整

ボルトが緩んだら、今度はエアコンベルト調整用ボルトを時計回りに締め込み、エアコンベルトの張りを調整します。

 

クーラーベルト調整

ある程度締め込んでベルトの張りを調整したら、調整用ボルトを固定するボルトを締めて緩まないようにロックします。

そして、最初に緩めたエアコンコンプレッサーを固定しているボルト2本を締め、ナンバーを元の位置に取り付けます。

エアコンベルトの調整は、工具が入るスペースに余裕があるので簡単ですね。

ファンベルト調整

次に調整するのはファンベルトです。

ファンベルトの調整はエアコンベルトと違い、工具が入るスペースが狭いのでちょっと厄介です。

まずは、オルタネーター(発電機)を固定しているボルトを緩めます。

写真はボルトを緩めているところです。

ファンベルト調整

オルタネーター固定用ボルトが緩んだら、今度はファンベルトの張りを調整するボルトを固定しているボルトを緩めます。

 

ファンベルト調整

そして、ファンベルト調整用のボルトを時計回りに締め込んでファンベルトの張りを調整します。

ファンベルト調整

張りを確認してOKでしたので、ファンベルト調整用ボルトを固定するボルトを締め、オルタネーター(発電機)を固定するボルトを締めます。

ベルトの張り調整が終了したので、さっそくエンジンを掛けてみます。

勢いよくエンジンが始動し、ベルトの音もピタリと止まりました。

パレットエンジン

最後に外したタイヤを取り付けて、整備完了です。

しかし、ここで一つ問題が、、

この写真を御覧ください。

これは、ベルトと一緒に回転する「プーリー」という円盤状の部品です。

このプーリーの溝とベルトの接地面にサビが発生しているのがわかると思います。

プーリー

このサビが厄介者で、実はベルトがキュルキュルと音がする原因にもなるのです。

そしてもうひとつの原因として考えられるのが、こちらの写真です。

こちらはエアコンコンプレッサーのプーリーですが、ピカピカに磨かれているようになっています。

こちらは、ベルトの張りが強すぎるあまり、プーリーが研磨されるように摩耗して鏡面状になっています。

パレットファンベルト

このような状態になると、ベルトが滑ってしまいキュルキュルと音がするのではないかと考えられます。

以前スズキのパレットに乗っている別のお客様で、ファンベルトとエアコンベルトを交換したばかりなのにキュルキュルと音がするとの事でご来店されました。

ファンベルト、エアコンベルト、共に取り付けには異常がなくベルトの張りも良好です。

しかし、プーリーにサビが発生していたり、鏡面状にツルツルになっていました。

もしかしたら、これが原因かもしれないと思い、ワイヤーブラシでサビをきれいに落とし、鏡面状になっている部分をヤスリ掛けしたところ(2人で2時間もかかってしまった、、。)ピタリと音が消えたことがあったのです。

知り合いの整備工場の方に聞いてみたりネットで調べたりしたところ、やはりプーリーが原因でキュルキュルと音がするとのことでした。

メーカーには、対策品も出ているそうです。(未確認)

プーリーは新品に交換するのが一番良いのですが、その時は予算の都合上手作業で修理しました。

今回のパレットはキュルキュルと音がすること無く、異常もありません。

時間と予算の都合上、お客様にはプーリーの写真を見ていただき、半年後に確認しますのでご来店くださいねとお伝えしました。

まとめ

ファンベルトやエアコンベルトは定期交換が必要な消耗部品です。

使用限度を超えてしまうと、プーリーに負担がかかりサビてしまったり、鏡面状になったりしてしまいます。

キュルキュルと音がしないのであれば、問題ありませんが、点検して劣化がすすんでいたのであれば早めに交換する事をお勧め致します。

当社では、実際にお客様に部品の消耗具合をご覧いただき、状況説明する事を心がけておりますので、異常を感じたらお気軽にご相談ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

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